部長からのごあいさつ

部長からのごあいさつ

H23年8月、岡山赤十字病院に「膠原病・リウマチ内科」が開設されました。
リウマチ・膠原病疾患を専門として数々の病院で経験を積み、このたび郷里の岡山赤 十字病院で「膠原病・リウマチ内科」の設立に携わる事になりました 。

岡山芳泉高校卒業後約30年を経て、再びふるさとに戻り、微力ではありますが、地域医療に貢献できる事はこの上ない喜びです。

医師のご紹介  外来診察表

「関節リウマチ」と「膠原病」の関係とは?

 「リウマチ」は知っていても、「膠原病」は知らないという方が多いと思います。
実は、「関節リウマチ」は「膠原病」の一つであり、膠原病の中では、最も多い病気です 。およそ100人に1人程度が「関節リウマチ」にかかっているとされて います。

「関節リウマチ」と「膠原病」の関係とは?

 膠原病とは体の自衛隊である、「免疫のしくみ」に異常が生じて起こってくる病気の一つです。本来免疫は細菌やウイルスなどの「敵」を攻撃するようにできていますが、間違えて「自分自身」を攻撃するようになって膠原病が起こってきます。攻撃される場所によって、いろいろな種類の膠原病があります。
例えば、「関節リウマチ」は間違えて自分の関節の「滑膜」という組織が攻撃される病気です。その他、主に筋肉が攻撃される「多発性筋炎」や、血管が攻撃される「血管炎症候群」、唾液や涙の工場(唾液腺、涙腺)が攻撃される「シェーグレン症候群」、全身 が攻撃される「全身性エリテマトーデス(SLE)」などなど、攻撃され る場所によって症状は異なり、それぞれ病名がついています。

各種膠原病の攻撃目標

1. SLE(全身性エリテマトーデス)

DNA(各細胞が持っている遺伝子)に対する抗体など、自分自身に対する異常な抗体産生が 亢進している。
⇒障害される臓器は全身に及ぶ

2. 強皮症

小血管が主な標的。障害され線維化がおこる。
⇒皮膚硬化、循環障害、全身性の場合、肺・腎・心障害など

3. 皮膚筋炎(多発性筋炎)

筋組織および皮膚(皮膚筋炎の場合)が標的目標となる。
⇒筋力低下だけでなく、肺などが障害されることも多い

4. MCTD(混合性結合組織病)

RNP(遺伝子のメッセンジャー)に対する抗体など
⇒上記SLE、強皮症、皮膚筋炎の3つの性質を併せ持つ

5. その他

ベーチェット病(皮膚や粘膜が中心)
血管炎症候群(血管が標的、結節性多発動脈炎など)
シェーグレン症候群(唾液腺や涙腺が標的)

関節リウマチについて

関節リウマチの診断と治療において、ここ数年の革新はめざましく、毎年のように新薬が 開発されて使われるようになってきています。それに伴って、診断の 基準や治療の目標もここ1~2年で大きく変わり、より早い時期に診断し、症状をほとんど感じない「緩解 (かんかい)」を治療の目標とするようになりました。ただ、効果の 高い薬には、感染症などの副作用の問題が必ずあります。飲み薬や注射による関節リウマチの治療は、内 科系リウマチ専門医が中心に行うようになってきているのはこのため です。

関節リウマチの治療

 一方、薬だけではなかなかうまくいかないケースでは、適切な時期の滑膜切除術が効果をあげる事があります。また、すでに変形してしまった関節の痛みを取ったり、使い勝手を良くしたりするために、人工関節置換術や関節形成術が有効である事もあり、適切な時期に適切な外科的処置を行う事も関節リウマチの治療には欠かせません。岡山赤十字病院では、整形外科・リウマチ科がすでに立派な実績をあげられており、互いの専門分野を生かし、しっかりとした協力体制をとって、関節リウマチの診療にあたっていきます。

関節リウマチ以外の膠原病について

 関節リウマチ以外の膠原病については、その多くが国から医療費の補助が受けられる「特定疾患(いわゆる難病)」に指定されています。②にあるように、悪さをしているのが、自分の身も守ってくれている「免疫のしくみ」ですので、治療は簡単にはいきません。悪さをしている敵をやっつけてしまえば良いというようにはならないからです。
そんなに多い病気でもないので、なかなか診断がつかない事もあります。通常の治療をしても、1週間以上熱が下がらない、関節や筋肉の痛みが取れないなどの場合、まず、かかりつけの先生にご相談いただければと思います。

近隣医療機関との連携について

 当科で使う治療薬の中心は、免疫を抑える薬(ステロイドや免疫抑制剤)です。これら の薬を使う事により、関節リウマチなどの膠原病で起こっている、「 異常な免疫反応」を抑えることができますが、一方で、「自分自身を守る力(免疫力)」も弱まってしま います。従って、感染症は最も注意しなければならない副作用の一つ です。
当院では24時間の救急体制をとっていますが、感染症などは早い段階で適切な対処がなさ れていれば、救急に駆け込まなくても済む場合がほとんどです。その ためにも、当科では必ず「かかりつけ医」を作っておくように勧めています。高血圧や高脂血症などの一 般内科的治療薬がある場合には、ご処方を「かかりつけ医」の先生に お願いし、カゼをひいた程度でも、気軽に診察していただけるよう配慮しております。近隣医療機関の先 生方には、お忙しい中お手数をおかけしますが、ご理解ご協力いただ ければ幸いに存じます。

レジデントおよび医師の募集について

 現在、膠原病・リウマチ内科ではレジデントおよび常勤医師を募集しています。見学、 研修などのご要望にも積極的に応じておりますので、ご遠慮なくご連 絡下さい。

連絡先:小山芳伸
e-mail:

研究業績

 当科が開設された2011年8月以降の論文、学会発表、講演の実績をまとめています。