1.診療科について

診療内容

脳神経内科

脳神経内科領域では、頭痛・手足のしびれ・麻痺・震え・歩行困難・けいれん発作・意識障害・その他運動障害・感覚障害など中枢神経症状が対象で、CT・MRI他の精査が可能です。

医師のご紹介

外来診察表

主な診療内容

平成22年4月より新たに内科の一専門領域として独立しました。脳神経内科は、生活習慣病やメタボリックシンドロームを基盤として発症する脳卒中や認知症、頭痛、パーキンソン病などの今後ますます患者数が増加する疾患をはじめ、神経変性疾患や神経免疫疾患などを対象としており、救急医療においても極めて重要な専門分野です。
対象となる症状としては、頭痛,しびれ,めまい,物忘れ,手足のふるえ,手足の脱力・麻痺,筋肉のやせ,筋肉痛,歩行の異常,言葉のもつれ,けいれん発作といった症状です。平成25年の入院患者数は計172名で、その内訳は、脳血管障害47名、髄膜脳炎等の炎症疾患29名、神経ベーチェット病・リウマチ性多発筋痛症等の内科関連疾患の脳症2名、パーキンソン関連疾患24名、ギラン・バレー症候群・慢性炎症性脱髄性多発神経炎等の末梢神経障害40名、多発性硬化症2名、重症筋無力症・筋炎等筋・接合部疾患13名、てんかん等のけいれん5名、脊髄小脳変性症・筋萎縮側索硬化症3名、アルツハイマー等変性疾患3名、脊髄疾患2名でした。
上記の診断をするため、脳(機能)画像診断として、MRI、CT、エコー、脳機能画像(脳血流シンチグラフィー、functional MRI等)、電気生理学的画像(脳波。筋電図、神経伝導検査等)等施行いたします。

中四国の中核である岡山大学病院脳神経内科教室にサポートして頂きながら、他科や他医療施設と協力しながら地域医療に貢献していきたいと思いますのでよろしくお願いします。

対象疾患

  • 脳卒中
    24時間体制で脳卒中科・脳神経外科・脳神経内科で脳神経救急として対応し、発症後4.5時間以内の脳卒中に対しては経静脈的線溶療法(t-PA)等行い対応しています。
  • 神経変性疾患(パーキンソン病、脊髄小脳変性症、筋萎縮性側索硬化症等)
  • 認知症(アルツハイマー病、レビー小体型認知症等)
  • 免疫性神経疾患(多発性硬化症、重症筋無力症など)
  • 末梢神経疾患(ギラン・バレー症候群、慢性炎症性脱髄性ポリニューロパチー等)
  • 神経感染症(脳脊髄炎、髄膜炎、クロイツフェルト・ヤコブ病等)
  • 筋疾患(筋炎、筋ジストロフィー等)
  • 機能性疾患(頭痛、てんかん等)

各種検査

  • 脳(機能)画像:MRI(3テスラ)、CT等
  • 脳機能画像(脳血流シンチグラフィー、functional MRI、DATSCAN等)
  • 電気生理学的画像(脳波、筋電図、神経伝導検査等)等
  • 頸部血管エコー
  • 重心動揺計、サーモグラフィー等

診療体制

外来は毎週火・木曜日、金曜日の午後の週3回で、他に毎週水曜13時よりボトックス外来(顔面痙攣・痙性斜頸等)をしています。

スタッフ

  • 武久 康 (部長)
    資格:日本神経学会専門医・指導医、日本認知症学会専門医・指導医
    所属学会:日本神経学会、日本認知症学会、パーキンソン病・運動障害疾患学会、日本神経免疫学会、脳卒中学会等
    得意分野:パーキンソン病等の大脳基底核疾患、アルツハイマー病等の認知症、
    多発性硬化症・慢性炎症性脱髄性多発神経炎等の神経免疫疾患等
    趣味:テニス、美術館巡り、絵画・写真等
  • 初期研修医 1-2名

施設認定

日本神経学会認定准教育施設
日本認知症学会認定施設

専門外来

下記の専門外来を開設しています。

パーキンソン外来

診察日 毎週火曜日   9:00~15:00
毎週木曜日   9:00~15:00
毎週金曜日  13:00~16:00
受診方法 予約制です。内科外来でご相談ください

大脳基底核が障害されると主にパーキンソン病にみられるパーキンソン症状が出現します。パーキンソン病で通常みられる運動障害には、手足のふるえ(振戦)、動作が遅い(寡動)、よく転倒する(姿勢反射障害)、手足・体が動かしにくい(固縮)等があります(図1)。

図1

手足のふるえには、生理的振戦、本態性振戦、甲状腺疾患によるふるえ等があり鑑別が必要です。特にじっとしている時に震え(安静時振戦)は、ある姿勢をとっている時のふるえ(姿勢時振戦)、動作をしている時のふるえ(企図振戦)と比べると病的なことが多いので脳神経内科の専門医を受診してください。

加齢とともに動作が遅くなりますが病的に遅くなることがあります。例えば、ボタンをかけたりはずしたりすることが遅くなったり、着脱衣に時間がかかるようになったり、ベッドで寝返りや起き上がりができなくなったり、お風呂で体が洗えにくくなったり、椅子から立ち上がるのに時間がかかるようになったりします。また、声が小さくなる(小声症)、字が小さくなる(小字症)症状が出現することもあります。

よく転倒する場合は要注意で、通常パーキンソン病では異常姿勢(前傾姿勢)により前に転倒することが多いのですが、後ろに転倒することが多いパーキンソン関連疾患もあります。異常姿勢には、首が前に屈曲する前屈(首下がり)、首が後ろに屈曲する後屈、腰曲がり、さらに体が左右に彎曲すること(側湾)もあり、これらは加齢でも見られますがパーキンソン関連疾患では病気が進行するにつれて異常姿勢が徐々に増悪することがあります。

パーキンソン病でみられる歩行の異常には、腕の振りが小さくなり歩く時に歩幅が小刻みになる小刻み歩行、足を床にすって歩くすり足、最初の一歩が出にくいまたは歩行中に足が出なくなるすくみ足、身体のバランスが悪くなり方向転換をする時に転びやすくなる方向転換時の転倒、歩いているうちにだんだん歩幅がせばまり早足になり身体が前のめりになって(前傾姿勢)転びやすくなる前方突進等があります。

さらに、運動障害以外の症状が出現することもあります。排尿した後で残っている感じ(残尿感)がして頻回にトイレに行く(頻尿)、排尿しようと思っても尿が出にくい(尿閉)等の泌尿器の症状や、立ち上がった時に血圧がうまく上がらない起立性低血圧、夜間足がほてってむずむずしたり(むずむず足症候群)、夜間夢を見ている時に奇声をあげたり暴力をふるったりする睡眠障害が出現することもあります(図2)。また、この世にはいないはずの亡くなった人が見えると言った幻覚・妄想等の精神症状が見られることもあります(図2)。

図2

パーキンソン病以外の症状として、お酒に酔ったような感じでふらふらして歩きにくい(小脳失調)や、ろれつが回らないようなしゃべりにくい症状がでることもあります。

図3に示すように、パーキンソン関連疾患にはパーキンソン病の他に鑑別の必要な多くの疾患があります。例えば、パーキンソン症状以外に上述の小脳失調、自律神経症状が目立ってくる多系統萎縮症があり、その中には小脳失調が目立つオリーブ橋小脳萎縮症、パーキンソン症状が目立つ線状体黒質変性症、自律神経症状が目立つシャイ・ドレーガー症候群の3つがあります。認知症状がパーキンソン症状に先行するレビー小体病、リン酸化された異常なタウたんぱくが脳に沈着するタウオパチー(大脳皮質基底核変性症、進行性核上性麻痺など)、小さな脳梗塞によっておこる血管性パーキンソン症候群、うつ病を治療する薬や幻覚を抑える薬によっておこる薬剤性パーキンソン症候群、尿失禁や認知症の症状を伴う特発性正常圧水頭症等もあり、特に特発性正常圧水頭症は脳外科手術によって症状が改善するので要注意です。

図3

上記で述べたパーキンソン症状が見られる時は、当院脳神経内科を是非ご紹介頂きたいと思います。パーキンソン病は数年前よりCDS(Continuous dopaminergic stimulation)と言う概念がクローズアップされてきており、多岐にわたり多くの薬が開発され使用できるようになり、現在治療の転換期を迎えています。抗パーキンソン病薬の調節には脳神経内科専門医であることはもちろん、パーキンソン病の治療について経験豊富であることが要求されています。他院でパーキンソン病と診断されているが、どうも動きが悪い、現在の治療に満足がいかない、治療のついて最新の情報が知りたい等があれば、是非ご紹介頂きます様お願いいたします。その疑問にきっとお答えできると考えています。

認知症外来

認知症はご存知のように今や社会問題となり、2012年時点で65歳以上の約15%(7人に1人程度)約460万人が罹患しその対策は急務です。ただ、認知症をきたす疾患にはアルツハイマー病だけではなく、レビー小体病、タウオパチー、前頭側頭葉型認知症、血管性認知症、正常圧水頭症等、鑑別すべき非常に様々な疾患があります。特に正常圧水頭症は脳室シャントの治療により症状の劇的な改善があります。是非、認知症専門医による診察を受けていただきたいと思います。

脳MRIや脳血流SPECT等の画像・機能検査を行い、

  1. 加齢によるものではなく認知症であること
  2. 認知症をきたす上記の疾患を鑑別したうえで、きちんとした治療計画をたて、家族とかかりつけの先生も含めて地域ぐるみで治療を行っていかなければなりません。

アルツハイマー病の発症原因の中でも、最近は糖尿病、脂質異常症、高血圧等の生活習慣病との関連が特にクローズアップされてきており、アルツハイマー病の治療薬も4種類ありその使い分け、さらに治療および検査に関する最新の情報等あり、是非ご紹介頂きます様お願いいたします。

診察日 毎週火曜日   9:00~15:00
毎週木曜日   9:00~15:00
毎週金曜日  13:00~16:00
受診方法 予約制です。内科外来でご相談ください

ボトックス外来

眼瞼痙攣、半側顔面痙攣、斜頸、上肢痙縮、下肢痙縮等についてボトックス治療を行っています。

診察日 毎週水曜日 13:00~14:00
受診方法 予約制です。内科外来でご相談ください

随時やる気あふれるスタッフを募集しています

脳神経内科では現在医師および後期研修医を募集しています。随時対応しますので、お気軽にご相談下さい。経験は問いません。脳神経内科および認知症の専門医を取得できるように指導を行います。委細面談に応じますので、下記までご連絡下さい。

担当者 脳神経内科部長 武久 康
連絡先 TEL:086-222-8811
FAX:086-222-8841
E-mail:

研修体制

PDF研修体制 PDFをダウンロード