1.診療科について

診療内容

診療内容

放射線診断専門医4名、放射線治療専門医1名、後期研修医2名、計7名で診療にあたっています。CT、MRI、RI等の画像診断、リニアックを用いた放射線治療、IVRを柱に前記スタッフが診療に携わっています。常に質の高い画像診断を提供するよう努力しています。またIVRは24時間体制で救急診療にも対応しています。

当科は日本医学放射線学会認定の放射線科専門医修練機関です。

最新の画像診断と放射線治療で、患者さんの負担を最小限に。

最新の画像診断と放射線治療で、患者さんの負担を最小限に。

・初診の方へ

 各診療科あるいは地域の医療機関からの紹介状が必要です。
 初診の診察日は予約制となっています。
 地域医療連携課あるいは放射線科、治療担当医までご連絡下さい。

 当科では入院を受け入れておりません。
 入院での治療が必要な場合は、‘悪性腫瘍(がん)’の種類により各診療科での入院になりますので、各診療科の受診あるいは相談の後に当科へ紹介して頂くことにります。

 外来通院でも対応しております。

2.主な疾患と治療内容

画像診断

画像診断画像診断

CT、MRI、RIを主体に診断を行っています。各画像診断機器で撮影された画像は、撮影直後には読影室の診断用高精細モニターおよびすべての診療科の電子カルテ端末に送信されます。放射線診断医は送られてきた画像を読影し、なるべく速やかにレポートを作成し、依頼科に送信します。

当科では各診療科との連携を密にし、情報を共有することでより適切な診断に至ることを目指しています。予期せぬ病変が発見された場合に依頼医に直接電話連絡することもあります。読影室には日常的に他科医師が来訪しており、ディスカッション、情報交換を行い、きめの細かい画像診断を行っています。

また、院外の他施設(病院、医院、診療所)からのCT、MRIの依頼にも対応しています。予約は地域医療連携課で受けていますのでご連絡お願いいたします。

画像診断部門では、当科を選択研修しているSR(初期研修医)の先生方には、独自のカリキュラムに基づき責任を持って指導にあたっています。

IVR

高性能DSA装置(血管造影検査装置)を用いて、熟練した担当医師がIVR(インターベンショナル・ラジオロジー)を行います。
IVRとは、画像診断装置を利用して、針・カテーテルなどの器具を目的部位に到達させて行う治療で、緊急止血や腫瘍の治療など、メスで切開することなく低侵襲に治療が行えます。

非血管系IVRでは、CTを用いて経皮的組織生検やドレナージなどを行っています。

IVR

IVRセンター紹介

放射線科としては手術等での処置が困難な致命的な出血に対して、血管内から動脈塞栓をおこなうことで緊急に止血し、救命を行っています。交通事故、転落等の外傷、潰瘍等による消化管出血、産科出血、喀血など、幅広い疾患に対応しています。また、腹部臓器の血栓塞栓症、透析シャントの不具合などに対しては、血栓除去、血管形成術を行い、機能温存に努めています。外科手術前の血流改変、術後、血管系合併症への対応も行います。

放射線治療

放射線治療は手術療法、化学療法(抗がん剤)と並ぶ‘悪性腫瘍(がん)’の治療の中で重要な治療方法の一つです。また、‘悪性腫瘍(がん)’以外の一部の良性疾患でも使用されることがあります。放射線治療は手術と同様に、病気を治療する局所治療ですが、臓器を摘出することなく、臓器の機能と形態を温存することができる治療方法です。

‘悪性腫瘍(がん)’にはいろいろな病気の種類があり、また,病気の進行の程度によっても様々な治療方法が選ばれますが、放射線治療は早期から進行・再発した‘悪性腫瘍(がん)’など比較的幅広い治療の適応があります。

放射線治療には‘悪性腫瘍(がん)’を治癒させることを目的とした治療(根治的治療)から、‘悪性腫瘍(がん)’に伴う様々な症状を和らげることを目的とした治療(緩和的治療)まで幅広い適応があります。

治療方法としては放射線治療単独、化学療法(抗がん剤)と併用、手術前・手術後の治療など各病気の種類、進行の程度によっていろいろな治療方法があり、全身の‘悪性腫瘍(がん)’を扱う各診療科と相談しながら治療方針を決めていくことになります。

放射線治療で行われる主な‘悪性腫瘍(がん)’

根治的放射線治療 (化学療法併用、手術前・手術後などを含む)

原発性脳腫瘍、頭頸部腫瘍、肺がん、消化器がん(食道がん、膵がん、直腸がんなど)、乳がん、泌尿器がん(前立腺がん、膀胱がん、尿管がんなど)、悪性リンパ腫、転移のない再発がんなど。

緩和的放射線治療

転移性骨腫瘍に伴う疼痛、転移性脳腫瘍、局所の再発腫瘍に伴う疼痛・出血・気道狭窄など様々な症状・状況で治療に用いられます。

当科の放射線治療の診療内容

放射線治療にはいくつかの治療方法がありますが、当院では国内で普及している直線加速器(リニアック)を用いた外部照射による治療を行っています。
通常の放射線治療から高精度放射線治療まで対応しています。

高精度放射線治療である画像誘導放射線治療(IGRT:Image-Guided Radiation Therapy)、強度変調放射線治療(Intensity Modulated Radiation Therapy:IMRT)、定位放射線治療(Stereotactic Radiation Therapy:SRT)に対応できる装置を導入しています。 IMRTは回転照射を用いた強度変調回転放射線治療(Volumetric Modulated Arc Therapy:VMAT)を用いることで、1回の治療時間の短縮や多彩な治療が可能な装置です。

体幹部定位放射線治療は肺がん、肝臓がんなども呼吸器内科、肝臓内科と相談の上、行っています。

放射線治療のスケジュール

診察

治療の適応を判断するために持参して頂いた紹介状および各種検査・画像情報(CT、MRI、PET-CTなど)を確認し、治療方針を決めたのちに、治療内容を説明していきます。
治療内容の詳細については診察時にご確認下さい。

治療計画

放射線治療計画のためにCT検査を行い、治療部位、治療回数などを決定します。

毎日の治療

治療は平日(土・日曜日,祝日を除く),週5日間行いますが、病気の状態により治療回数は異なり、数日~8週間程度と差があります。
通院の方は午前・午後(9時~16時30分)、治療の予約時間を相談し決めています。

【放射線治療装置】

 外部放射線治療装置(リニアック)はElekata社のInfinityを導入しています.

外部放射線治療装置

3.実績

【放射線治療の診療実績】

 放射線治療は年間,約200-250人の治療を行っています.
 外来通院の患者割合は約60%です.

 当院で放射線治療を行っている病気は主に肺がん,乳がん,消化器系腫瘍,頭頸部腫瘍,泌尿器系腫瘍,悪性リンパ腫などですが,それ以外の全身の‘悪性腫瘍(がん)’,一部の良性疾患でも対応できる疾患は行っています.

【部位別の治療割合】

 2017-2021年の原疾患別の患者割合

部位別の治療割合

4.医師紹介

医師のご紹介  外来診察表

【放射線治療のスタッフ】

放射線治療専門医
診療放射線技師(放射線治療専門技師)
医学物理士
放射線治療品質管理士
放射線治療担当看護師

 ‘悪性腫瘍(がん)’に対する放射線治療について気になる点がありましたら気軽に放射線治療のスタッフへ声をかけて下さい.相談内容により各診療科,各部署のスタッフとも相談しながら対応しております.