医療技術部 臨床工学技術課
当課は現在医師1名(實金副院長兼医療技術部長)および臨床工学技士11名で構成されています。近年、高度で複雑な医療機器は増加の一途をたどり、院内の隅々まで浸透し、それらすべての医療機器の操作・管理を医師や看護師で行うことは無理であるため、医療機器のスペシャリストである臨床工学技士が中心となり、院内にある医療機器の操作・管理および使用者に対する教育・研修を担当し、患者さんに対する安全で質の高い医療を提供できるよう、医療チームの一員として勤めています。
組織
臨床工学技術課は5つのセクションに分かれており、それぞれが専門性をもって業務を遂行しています。
各部門紹介
血液浄化療法部門
2016年2月より、様々な病態の患者さんの治療に対応すべく、血液浄化療法室を開設いたしました。臨床工学技術課として、血液浄化療法全般(血液透析、血液透析濾過、持続血液透析濾過、血漿交換、腹水濾過濃縮、免疫吸着等)において準備、運用、点検まで広く関わっています。
いずれも患者さんに対して安全に施行するため、日々の点検、透析液の清浄化はもちろんのこと、スタッフの知識、技術向上を目的として積極的に勉強会や学会参加し、より良い治療を提供できるよう、日々努めています。

手術室関連部門
当院は総合病院であるため診療科も多岐にわたり、それに伴い手術内容も多種多様です。手術室にはそれぞれの術式に使用する高度医療機器が多数ありますが、手術が円滑に、かつ安全に行われるよう、私たちは医療機器の準備、操作、使用前点検を実施しています。具体的には、心臓手術時に血液循環を行う人工心肺の準備・操作、手術で出血した血液を有効利用する自己血回収装置(整形外科、心臓血管外科で使用)の準備・操作、目的とする病巣の的確な位置情報を取得できるナビゲーションシステム(脳外科、整形外科、耳鼻科で使用)の準備・操作等です。
また、患者さんに安心して手術を受けていただけるよう、学会認定資格(体外循環技術認定士:心臓手術の際に使用する人工心肺を操作するための技術を認定する資格など)を積極的に取得し、ガイドラインに基づいた手技を実践しています。

人工心肺装置(HASⅡ)

自己血回収装置(XTRA)
循環器部門
安全な医療の提供と、質の向上のために各学会が認定している専門の資格を有した技士が業務を担当しています。
また循環器部門担当技士は、BLSヘルスケアプロバイダー取得を必須とし、以下のようなスキルを活かしてチーム医療に貢献しています。
- 心臓カテーテル室・IVRセンター業務:心血管インターベンション技師(ITE)
- 不整脈治療業務:不整脈治療専門臨床工学技士
- デバイス業務:CDR認定(Cardiac Device Respresentative)
- CCU業務:呼吸療法認定士、透析技術認定士
医療機器管理部門
岡山赤十字病院内の様々な分野で使用している医療機器の種類は800種類以上、台数では3800台以上保有しています。これらの医療機器を安全に使用できるように、加えて機器の性能が維持できるように、保守点検を行っています。また、効率的な運用を目的として医療機器の中央管理および分散管理を行っています。機器の購入から廃棄までのライフサイクルの管理を行うことで、常に安全で正常運転できる状態を保ち、患者さんに安心して治療を受けていただけるよう努めています。
さらに、安全という観点で重要なのは、医療機器の適正使用がなされているかという点です。新規医療機器の導入や新入職員に対しては、研修会を実施する計画を立案し、メーカーもしくは医療機器管理部門で講師を担当し、実施しています。
また、中央管理機器を使用した臨床支援業務として、人工呼吸器を使用している際の動作点検ラウンド、肝臓の治療に用いるラジオ波焼灼療法、整形外科手術の際、自分の血液を有効に活用することを目的とした自己血回収装置の操作も受け持ちます。
ベッド数:3ベッド
(内1ベッドは個室にて感染症対応可能)
装置:DBG-03 1台(日機装社製)
DBB-100NX 2台(日機装社製)
水処理装置:MX E252 PC-D(JWS社製)