臨床指標とは、病院の診療状況や実績などを様々な指標を用いて具体的に数値で示したものです。指標の結果を把握・分析することで、病院の改善点が明らかになり、その結果医療の質が向上されることを目的としています。
当院では、院内に「医療の質検討委員会」を設け、病院独自の「診療統計」と赤十字グループにおける「医療の質評価制度」、「病院情報の公表」など、様々な指標を測定・評価しています。その活動を続けることで、改善が必要な点を素早く察知し、質の向上に努めています。
「医療の質評価制度」は当院のデータ過去3年間を経年評価し、他の赤十字病院グループ平均値と比較することで今後の医療の質の向上に向けた活動に取り組んでいます。
医療の質検討委員長 森 英樹
2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
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分子 | 250 | 220 | 249 |
分母 | 273 | 256 | 283 |
当院満足度(%) | 91.6 | 85.9 | 88.0 |
赤十字病院グループ平均値(%) | 88.6 | 88.1 | 86.1 |
2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
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分子 | 266 | 245 | 269 |
分母 | 272 | 254 | 283 |
当院満足度(%) | 97.8 | 96.5 | 95.1 |
赤十字病院グループ平均値(%) | 90.7 | 89.2 | 89.7 |
2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
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分子 | 635 | 556 | 507 |
分母 | 776 | 713 | 634 |
当院満足度(%) | 81.8 | 78.0 | 80.0 |
赤十字病院グループ平均値(%) | 82.2 | 80.8 | 79.2 |
2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
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分子 | 649 | 581 | 539 |
分母 | 762 | 696 | 634 |
当院満足度(%) | 85.2 | 83.5 | 85.0 |
赤十字病院グループ平均値(%) | 83.8 | 82.7 | 82.0 |
2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
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分子 | 3 | 15 | 7 |
分母 | 126,675 | 124,501 | 126,494 |
当院発生率(‰) | 0.02 | 0.12 | 0.06 |
赤十字病院グループ平均値(‰) | 0.09 | 0.13 | 0.13 |
入院患者の転倒転落は、患者が自立的に活動される限り、完全に防ぎきれるものではありませんが、骨折や内出血などをきたすことがあり、影響度の高い転倒・転落の『発生率』を集計し、転倒しても被害をゼロに近づけるために各施設で努力を続けています。
赤十字病院グループでは、「転倒転落予防活動に関する手引書」を作成し、事例分析から導かれた予防策を全施設で共有、実践し、転倒・転落発生リスクを低減していく取り組みを推進しています。
2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
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分子 | 1 | 2 | 1 |
分母 | 350 | 311 | 296 |
当院発生率(%) | 0.29 | 0.64 | 0.34 |
赤十字病院グループ平均値(%) | 1.22 | 1.10 | 1.04 |
褥瘡の発生は、患者の生活の質(QOL)を低下させる要因となり、在院日数の長期化にもつながります。患者の栄養状態等によっては褥瘡が発生しやすい状況もありますが、褥瘡対策チームとも協力し、計画に基づいた適切な褥瘡予防対策を実施し、発生率を低下させることが求められます。
褥瘡予防対策は、提供されるべき医療の重要な項目であり、栄養管理、日常ケアの質評価に関係します。
2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
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分子 | 162 | 156 | 134 |
分母 | 189 | 191 | 161 |
当院開始率(%) | 85.7 | 81.7 | 83.2 |
赤十字病院グループ平均値(%) | 77.4 | 76.2 | 77.7 |
脳梗塞は、脳の血管が細くなったり、血管に血栓が詰まることで、脳に酸素や栄養が送られなくなり、その部位の脳組織が壊死あるいは壊死に近い状態に陥ってしまう病気です。脳梗塞により、運動障害、言語障害、感覚障害等の後遺症が残ることがあります。脳梗塞の後遺症によって、寝たきりになると、筋委縮・筋力低下、関節拘縮、肺炎、褥瘡、抑うつ等の症状が現れる廃用症候群が起こります。廃用症候群の発生を防止するためには、早期からのリハビリテーションが重要になります。そして、日常生活の自立と早期の社会復帰につなげていくことが求められます。なお、施設の体制によっては、理学療法士または作業療法士による本格的なリハビリテーションの開始日が休日に該当した場合、リハビリテーションの開始が1日遅れる場合があります。
2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
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分子 | 8,707 | 9,290 | 10,424 |
分母 | 11,108 | 11,422 | 12,266 |
当院実施率(%) | 78.4 | 81.3 | 85.0 |
赤十字病院グループ平均値(%) | 63.4 | 62.0 | 62.4 |
服薬指導(薬剤管理指導業務)とは、入院患者の薬歴管理と服薬指導を介して、患者に服薬方法や副作用などの情報を提供し、安全な薬物療法につなげるとともに、患者から得られた情報を医師にフィードバックすることにより、薬物療法を支援する業務のことを言います。
2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
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分子 | 3,847 | 4,993 | 5,624 |
分母 | 5,420 | 7,432 | 7,960 |
当院実施率(%) | 71.0 | 67.2 | 70.7 |
赤十字病院グループ平均値(%) | 43.1 | 37.7 | 38.2 |
特に安全管理が必要な医薬品(ハイリスク薬)に対する服薬指導により、その適正使用を促すとともに、患者のアドヒアランス(患者が積極的に治療方針の決定に参加し、その決定に従って治療を受けること)の向上につながることも期待されます。
2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
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分子 | 1,542 | 1,589 | 1,531 |
分母 | 1,552 | 1,637 | 1,608 |
当院実施率(%) | 99.4 | 97.1 | 95.2 |
赤十字病院グループ平均値(%) | 94.4 | 92.8 | 92.6 |
肺血栓塞栓症はエコノミークラス症候群ともいわれ、特に下肢の静脈血栓が流れて肺の血管に詰まることで呼吸困難や胸痛を引き起こし、死に至ることもある疾患です。寝たきりの方や手術後に発症することが多く、弾性ストッキングの着用や間歇的空気圧迫装置、抗凝固役の投与など適切な予防対策が必要となります。
2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
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分子 | 192 | 184 | 260 |
分母 | 11,055 | 11,381 | 12,222 |
当院再入院率(%) | 1.7 | 1.6 | 2.1 |
赤十字病院グループ平均値(%) | 2.4 | 2.2 | 2.4 |
患者さんの中には、退院後30日以内に予定外の再入院をすることがあります。その背景としては、前回入院時の治療が不十分であったこと、回復が不完全な状態で早期退院が行われたことなどの要因が考えられます。予定外の再入院という定義が、ややあいまいなことは否めませんが、これを継続的に追跡し、原因を振り返ることが安全な状態で退院することにつながります。
2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
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分子 | 1,159 | 1,151 | 1,141 |
分母 | 1,203 | 1,280 | 1,294 |
当院接種率(%) | 96.3 | 89.9 | 88.2 |
赤十字病院グループ平均値(%) | 94.3 | 93.0 | 90.7 |
インフルエンザ等の感染症の診断や治療のために医療機関を受診する患者さんに接することの多い職員は、自身が感染しないよう心がけており、免疫力が低下している患者さんに対しては、職員からの感染を防止する必要があります。
2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
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分子 | 0 | 0 | 1 |
分母 | 156 | 152 | 126 |
当院接種率(%) | 0.0 | 0.0 | 0.8 |
赤十字病院グループ平均値(%) | 0.4 | 0.3 | 0.3 |
腹腔鏡手術による肝臓および消化管手術における死亡退院率です。死亡原因には、手術手技および原因疾患に関連の無いものも混入しております。また、術前の重症度等のリスク評価による死亡率補正は行っておりません。悪条件は覚悟で手術を施行せざるをえない症例もあると思います。
2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
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分子 | 0 | 1 | 0 |
分母 | 156 | 152 | 126 |
当院発生率(%) | 0.0 | 0.7 | 0.0 |
赤十字病院グループ平均値(%) | 2.1 | 1.9 | 1.5 |
腹腔鏡手術を受けた患者さんのDPCデータ(様式1)にて、「手術創の離開等あり」(T813)と記録された患者さんの割合です。
2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
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分子 | 2 | 2 | 2 |
分母 | 156 | 152 | 126 |
当院発生率(%) | 1.3 | 1.3 | 1.6 |
赤十字病院グループ平均値(%) | 2.1 | 1.4 | 1.3 |
腹腔鏡手術を受けた患者さんのDPCデータ(様式1)にて、「手術創に感染症発生あり」(T814)と記録された患者さんの割合です。
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | |
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MSW相談担当者数 | 5名 | 6名 | 6名 |
退院支援看護師 病棟担当者数 | 3名 | 3名 | 4名 |